#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー
県民が健康で自分らしく暮らすための環境を作りたい!
目標に向かって着実に前進する保健師としての働き方
プロフィール
山辺 大輔
出身地熊本県高森町
所属障害福祉課
現職保健師
県入庁年月日令和元年5月
#わたしが公務員になった理由
地元と同様に身近に感じる大分県
熊本県内の大学で看護師の資格を取得後、保健師の資格取得のため大分県内の大学院に進学したという山辺さん。地元に帰らず大分県で働くことを決めた理由について伺ってみました。
山辺さん:大分県内の大学院で保健師の講義を受講し、実習をしていく中で、大分県の健康課題を学ぶことができました。熊本県が地元ではありますが、保健師の勉強をした大分県の健康課題解決のために働きたいと思い、大分県で働くことに決めました。
最初に来た時は大分県について何も知りませんでしたが、18市町村全てを訪れ、今はとても身近に感じています。
現在山辺さんは、保健師として精神保健に関する業務を行っているそうです。
山辺さん:アルコールや薬物、ギャンブル等の依存症対策や高次脳機能障がい者への支援体制の整備などに取り組んでいます。
国は依存症専門医療機関を指定するように推進しており、大分県内にも薬物依存症・ギャンブル依存症などに関する専門医療機関の指定を進めています。個別に医療機関と協議を行ったり、医療関係者や地域の支援者のスキルアップを目指した研修、普及啓発なども実施しているそうです。
山辺さん:専門医療機関があることで、対象者や家族が相談・受診につながりやすくなるため、関係機関と連携しながら専門医療機関の指定や依存症相談・医療の質の向上を目指しています。
広域的な視点で取り組む仕事
現在、障害福祉課精神保健福祉班で働いている山辺さんですが、保健師になることを決めたきっかけや大分県職員という仕事を選んだ理由について伺いました。
山辺さん:とても元気だった親族が慢性閉塞性肺疾患(COPD)になり、在宅酸素療法を行いながら過ごしているのをみて看護師を目指すようになりました。看護師の勉強をしていく中で、病気になる前に予防したい、病気があってもなくても好きな場所で過ごせるための支援がしたいと思うようになり保健師を目指すことに決めました。保健師になるための講義や実習を通して必要だと感じた「健康で自分らしく暮らせるための環境づくり」を行う仕事がしたいと思うようになりました。
全国の保健師の約7割が行政機関で働いていますが、健診センターの保健師や一般企業に勤務する産業保健師もいます。保健師は名称独占の資格なので、「保健師」という名の下に保健指導や保健活動を行っています。また、保健・医療的な視点をもって対象者の生活をみたり、個別課題から地域課題を考え、事業に展開していく視点も保健師には必要です。
充実した休暇制度や収入など、行政保健師の仕事は安定しています。県職員であれば、個別支援に加えて地域全体の仕組みづくりなど規模の大きな仕事ができるため、大分県職員を選びました。県庁各課や保健所、精神保健福祉センター、産業保健分野などのジョブローテーションで保健師としてのスキルアップが可能であること、異動で様々な地域で仕事をして県内全域を知ることができるのも魅力的でした。
着実に目標に近づけることがモチベーション
対象者やその家族、各疾患に関わる人のために業務に取り組んでいる山辺さんですが、やりがいを感じるのはどのような時なのか伺ってみました。
山辺さん:普段は依存症や高次脳機能障がいなどの各疾患に対する取組、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けた取組を行っていますが、支援体制の整備・強化、専門医療機関などの指定、関連県計画の進捗管理など県全体に影響する規模の大きい業務です。すぐに結果が出るわけではないので「成果はあるのだろうか」と考えて悩むこともあります。保健師は自分の足で稼ぐことが大切であり、対象者や地域を「みる」、人や組織を「つなぐ」、そして、目標達成のために「動かす」ことが必要です。目標達成のために関係者のもとに足を運び、少しでも事業が前進できた時にはやりがいを感じます。
今までで1番印象に残っている仕事や自慢できる内容についても伺いました。
山辺さん:初任地の保健所では精神保健業務を担当しました。市町村の保健師と一緒に精神疾患がある対象者とその家族の支援を行い、住み慣れた地域での生活が継続できるように、何度も訪問したりケース会議を開催したりしました。対象者と家族から「あなたが担当で良かった。おかげで前に進むことができた。」と言われた時はとても嬉しく、忘れられない出来事です。現在の職場では個別事例と接する機会は減りましたが、今後も地域の方が安心して暮らせるような仕組みづくりや体制整備を行っていきます。
「公務員=定時退庁」というイメージ
身近に公務員として働いている方がいなかったため、定時に退庁するイメージが強かったものの、実際に仕事をすると事業が多岐にわたるので業務量が多く、必ずしも毎日定時には帰れるわけではないと身をもって感じたそうです。このように、入庁前に想像していたこととのギャップについて伺ってみました。
山辺さん:良いギャップとして、職員や職場の雰囲気が堅苦しくなく、アットホームでフレンドリーな人が多いと感じました。きっちりとしている部分もありますが、オンとオフを上手く切り替えられるので職場に苦痛はなく、色々な方に恵まれて良い職場で仕事ができています。他部署の保健師とも繋がりがあり、相談しやすいので有り難いです。
一方で、新型コロナウイルス感染症や食中毒などの健康危機管理事案や災害が発生した場合の対応など、想像以上に緊急的な対応があります。大規模な災害の場合、土日関係なく職員が集合して通常業務とは別に、関係機関と連携しながら様々な対応を行います。
良くも悪くもギャップを感じているという山辺さんですが、仕事を辞めたいと思ったことはあるのか伺いました。
山辺さん:パン屋さんに対する憧れはありますが、今の仕事を辞めたいと思ったことはないです(笑)。採用から3年目まではプリセプターという指導保健師がついてくれて、公私ともに相談できてとても心強いです。また、3年目以降でも先輩保健師に気軽に相談でき、スキルアップのための環境も整っているので働きやすいです。
休日も充実した日々を過ごせている
休日は飼っている犬とドッグランに行って遊んだり、自宅で映画を観たりゲームをしてゆっくり過ごしているそうです。また、将来の夢や今後の目標についても話してくれました。
山辺さん:最近はお弁当作りにはまっています。今後は料理を極めることやパン作りにも挑戦したいと考えています。職業柄、休日に飲食店に行った時でも野菜の量や塩分量を確認したり、バリアフリーな環境かなどを気にするようになりました。
将来は、マイホームに広い庭をつくり、犬と子どもと走り回って遊びたいです。仕事でいうと依存症の相談・医療体制の強化、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築に向けた事業を推進することが目標です。
休日でも仕事のことを考えてしまうこともあると話す山辺さんに、保健師はどんな人に向いていると思うのか伺ってみました。
山辺さん:様々な機関や部署と連携しながら保健活動を行うので、色々なことに興味があったり、全体を見渡せる広い視野を持ったりすることは必要かと思います。また、人と関わるのが好きということはプラスになると思います。私が保健師になったばかりの頃に対象者を訪問した時は、必要なことだけを聞き取って終わることも多かったのですが、世間話も対象者を知る大切な情報であることに気づき、コミュニケーションスキルの向上に努めました。コミュニケーションが苦手な人でも、多くの人と関わり、対応を振り返るうちにスキルアップはできると思うので、「保健師になりたい!」という熱意がある人なら大丈夫だと思います。