#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー
肉用牛農家の生産性向上を目指して。畜産振興を支える公務員獣医師としての働き方
プロフィール
池堂 智信
所属玖珠家畜保健衛生所
現職獣医師
県入庁年月日平成31年4月
#わたしが公務員になった理由
子育て環境も重視して公務員獣医師の道を選んだ
大学卒業後、鹿児島県で診療獣医師として働いていたという池堂さん。その後、大分県職員の獣医師へ転職した理由を聞いてみました。
池堂さん:前職は主に牛の治療を行う獣医師として勤務していました。農家さんや自治体からの依頼を受け、現地に出向いて牛の健康状態の確認や病気の予防・治療などを行っていました。非常にやりがいのある仕事だったのですが、当時、大分県職員として働く妻と結婚を考えた際に、鹿児島県で働くか大分県で働くかの二択に迫られ、子育て等にも時間・労力を割けて獣医学的知識を活かして社会貢献ができる大分県職員を選択しました。
前職の経験も活かして、肉用牛農家の生産性向上に向けて働く
家族との時間、仕事のやりがい両方を重視して大分県職員を選択したという池堂さん。現在の仕事について聞いてみました。
池堂さん:現在は玖珠町にある玖珠家畜保健衛生所で、獣医学的知識を生かし肉用牛農家さんの生産性向上に関わる仕事を行っています。玖珠家畜保健衛生所は日田市、玖珠町、九重町を管内としており、農家さんから依頼があればその都度現地を訪れて、検査をしたり相談に乗ったりしています。例えば、細菌・ウイルス等の検査によって、農場で発生している疾病の原因究明から解決策を提示し、時には地域の獣医師と連携しながら対応しています。他にも、牛の繁殖検診も行っています。牛の繁殖状況は農家さんの経営状況に直結するので、小さな異変も見落とすことのないよう、気をつけて検診しています。現在、日田・玖珠・九重の和牛約6割で検診を行なっており、エコー診断装置を用いることでより正確な診断ができるようになっています。繁殖状況が悪化した際には、血液検査や飼料分析を実施して原因究明も行っており、いずれも、前職で診療獣医師として勤務していた経験や知識を活用して取り組むことができていますね。
公務員獣医師ならではのやりがい
仕事のやりがいや1番印象に残っていることも聞いてみました。
池堂さん: ある時、とある農家さんの牛の繁殖成績が急激に悪化してしまったことがありました。早急な原因究明と対策が必要だったので、同じ県の地方機関である西部振興局と協力して血液検査・飼料分析を行い、データをもとに飼料の変更などを農家さんにアドバイスし、繁殖成績を良好な水準に戻すことができました。繁殖成績は数字で目に見える指標なので、自分の行った仕事の成果が何百万円という大きな数字として返ってきたことは嬉しかったです。診療獣医師を行っていた頃には、このような数字で成果が現れる経験はできなかったのでとても印象に残っています。
この件を大分県内の業績発表会で発表したところ、繁殖検診や肉用牛農家の生産性向上に貢献した好事例として取り上げられ、大分県代表として全国の場で発表しました。日頃から農家さんと連絡を取り合い、小さな異常も見逃さないように心がけていた自分の仕事が多くの人に認められた気がして、とても達成感を感じました。
診療獣医師の時と違い、休日に休める安心感
日頃から農家さんと密に連絡を取るという池堂さん。忙しそうに思えますが、思っていたとおりに家族との時間はとれているのでしょうか。
池堂さん:平日・休日問わずしっかり休めていますね。休日は、まだ子供が0歳と1歳と小さいので、公園で遊んだり買い物に出かけたりすることが多いです。また、妻も私も育児休暇を取らせて頂き、結婚当初の希望どおり子育てや家庭にも時間を割くことが出来ています。診療獣医師をしていた頃はなかなか休みも取れず、呼び出しがあればいつでも出勤する必要があったので、今はかなり恵まれているなと思います。