#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー
日本全国へ安全・安心な食肉を届けるために。公務員獣医師としての使命感ある仕事
プロフィール
三浦 桜子
所属食肉衛生検査所
現職獣医師
県入庁年月日令和2年4月
#わたしが公務員になった理由
公務員としての獣医師の道を選んだ
高校生の時はカヌーでインターハイ3位に入賞するほどのアスリートでありながら、卒業後は県外の獣医系の大学へ進学した三浦さん。大学時代はどのようなことに取り組んでいたのでしょうか。
三浦さん:カヌー部はなかったので、部活動に入らず走っていました。フルマラソンにも出ましたが物足りず100kmマラソンにも出ました。そんなことを言うと勉強はしてないみたいに聞こえるかもしれないのですが、動物福祉に興味があり獣医師を志したので、ドイツやスイスに短期留学するなど勉強もそこそこには頑張りました。
100kmマラソンや短期留学など様々なことに挑戦されたんですね。そんな三浦さんがどうして大分県職員になったのですか。
三浦さん:理由は3つあります。
1つ目は、仕事の業務に興味があったことです。在学中に県のインターンシップ制度(*1)を利用し職場研修を受け、食肉衛生検査所や動物愛護センターにも行きました。食肉衛生検査所はと畜検査だけでなく、全国に約160施設あると畜場のうち15施設のみが認定されているアメリカ向け輸出牛肉取扱施設として認定されたと畜場を管轄しているため、英語も勉強しなければならないなど世界に目を向けた仕事をしています。動物愛護センターも全国で屈指の施設環境が整っており、やりがいのある職場だと感じました。 2つ目は、暮らしやすいことです。 都会への憧れもあって県外の大学へ進学しましたが、都会はたまに行く所で、住む所としては落ち着かなくて(笑)。街もありますし、山や海それに温泉も。暮らすにはとてもいい場所だと改めて思いました。大分と決めたので大分県の獣医師確保修学資金制度(*2)を利用し毎月修学資金ももらいました。私学で仕送りもかかるため親の負担を減らすこともできて大変助かりました。
3つ目は、大分県に少しでも恩返しがしたいと感じたことです。
やはり自分が育った土地には愛着もありますし、どうせ働くなら大分県民のために働きたいという気持ちがだんだん強くなったんです。
*1:大分県公衆衛生獣医師インターンシップ制度とは公務員獣医師の職場体験ができる制度で宿泊費の補助等がある
https://www.pref.oita.jp/soshiki/15450/oita-jyuishi.html
*2:大分県獣医師修学資金とは県職員等として従事しようと考えている学生に修学資金を給付する制度 http://ooita.lin.gr.jp/shuugakushikin/index.html
食肉の安全を守ることは、人の健康を守るということ
現在の仕事内容についても詳しく聞いてみました。
三浦さん:獣医学や法律に基づいて牛や豚を1頭ごとに検査する他、と畜場の衛生管理を検証しています。仕事の目的は食肉の安全を確保し、人の健康を守ることです。出荷される予定の牛や豚に病気がないか、と畜場が不衛生でないか等、食肉の安全を確保する最後の砦としての意識を持って仕事をしています。
また、大分県食肉衛生検査所が所管すると畜場は、先ほど話したとおりアメリカ向け輸出牛肉取扱施設としての認定を受けています。この認定を受けるとアメリカ向けに牛肉の輸出が可能になりますが、アメリカの法律では衛生証明書の発行や微生物検査に加え、牛の人道的取り扱いの検証等も行わなければなりません。食肉であるからといって牛を粗末に扱うことのないように、と畜場で適切に牛を取り扱っているか、という観点も重要になってきます。機械的に牛を検査するだけではなく、精神的・肉体的に健康で幸せであるか、に配慮しつつ検査をするのは、アメリカ向け輸出食肉取扱施設を所管する大分県食肉衛生検査所ならではで、動物福祉に興味のあった私にはうってつけだと思います(笑)。
自分が検査した食肉がスーパーに並んでいる
仕事のやりがいや1番印象に残っていることも聞いてみました。
三浦さん:自分が検査した食肉が、実際にスーパーなどで並んでいるのを見るとより責任を感じますし、大分県産のお肉を家族と食べる時には、このお肉を私が検査したといつも言っています。それは冗談として、自分の日々の仕事が安全な牛・豚肉の流通に直結していることも実感できるので、とてもやりがいを感じます。
1番印象に残っていることは、と畜場に社会科見学に来た小学生に対して「動物の健康や幸せ」についての説明をしたことです。小学生のうちから動物福祉を正しく理解してもらう機会が必要だと前から思っていました。それに獣医師の仕事について話をしてないのに、研修後のアンケートで「獣医師になってみたい」と書いてくれた子がいて、獣医師の中でもよく知られていない、公衆衛生に携わる公務員獣医師の仕事について小学生に興味を持ってもらえたことが嬉しかったですね。
プライベートの時間が確保できる強み
やりがいと責任感を持って働く三浦さん。働く上で、入庁前と入庁後のギャップはあったのでしょうか。
三浦さん:良いギャップは時間の自由があることです。土日祝日がほぼ確実に休みであることに関して、入庁前はあまり意識していませんでしたが、周りの公務員ではない獣医師の友達の話を聞いていると、全然違うので、生活のリズムを築くうえでとても重要なことだと感じました。悪いギャップは周囲の目線が気になることです。公的な機関で働く者として公務員倫理は重要です。しかし、私生活などでも公務員らしく振舞わなければならないと感じてしまうこともあるので、少しプレッシャーも感じます。
休日は仕事を忘れてのんびりと
プライベートの時間はしっかり確保できるという三浦さん。実際に休日はどのように過ごしているのでしょうか。
三浦さん:読書、映画鑑賞、散歩などをして過ごしています。たまにふらっとクラフトビールを飲みに行ったりもします。仕事のことは忘れて、全力で休日を楽しむようにしていますね。プラベートを楽しんで気分転換することが、より良い仕事にもつながると感じています。