#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー

森林資源の活用と普及を通じて、地元に貢献する大分県林業職員の働き方
プロフィール

廣瀬 碧
所属林務管理課
現職林業
県入庁年月日令和4年4月
#わたしが公務員になった理由
地元に貢献できる仕事を求めて
高校卒業後、大学の農学部へ進学した廣瀬さん。就職先として大分県の林業職員を選んだ理由について伺いました。
廣瀬さん:大分県職員を志望した理由は、生まれ育った地元に貢献できる仕事をしたいという思いからでした。大学では森林・林業を専攻していたので、学んだ知識を生かせる職種は何かと考え、林業職を選択しました。林業の仕事は幅広く、知識や経験を積み重ねていける点にも魅力を感じました。
大学進学時は漠然と農学部に興味があり、公務員を視野に入れていた程度で、林業に特化した進路は全く考えていませんでした。入学後1年半が経過した頃に専門分野を選ぶことになり、公務員を目指す人が多い森林コースに進むことを決めました。農業は1年サイクルで作物を育てて収穫するという流れですが、林業はより長いスパンで管理して成長を見守る点が面白そうだと感じたことも選択の決め手となりました。
現在、林業普及指導班に所属している廣瀬さんですが、普段はどのような仕事をしているのでしょうか。
廣瀬さん:主に林業の普及指導に関する業務、林業職員研修の企画・運営、大分県林業職員のリクルート活動を担当しています。
まず、林業の普及指導に関する業務では、林業職員の中に林業事業体などに技術の普及・指導を行う「林業普及指導員」という役割の職員がいます。私はその普及員たちの活動をとりまとめ、業務の進捗を管理する立場です。普段はデスクワークが中心ですが、必要に応じて現場に足を運び、普及員と共に事業体や生産者の方などと話をすることもあります。
また、林業職員向け研修の企画・運営では、新規採用者向けの基礎講習や林業普及指導員資格試験に向けた勉強会の運営など、職員のスキル向上を目的とした研修を企画しています。林業普及指導員資格は国家資格で、一定の実務経験を経た職員が受験できる仕組みになっているので、私自身も条件を満たしたら受験する予定です。
さらに、大分県林業職員のリクルート活動として、インターンシップの企画・運営、大学への採用情報提供、林業職紹介サイトの作成などを行っています。県職員説明会で林業職について説明する機会もあり、直接学生に林業職の魅力を伝えています。
県職員として働く中で、メリットを感じることはありますか?
廣瀬さん:県職員のメリットの一つは、充実した勤務環境です。土日祝日が基本的に休みで、年次有給休暇も取得しやすく、計画的に休むことが推奨されています。給与面では、大手企業に比べると高額ではないものの、大分県内では平均的で期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)や住居手当などの支給もあるため、生活に困ることはありません。
また、林業職員は本庁、振興局、林業や木材の研究機関、しいたけの研究機関などへ異動があるので、さまざまな業務を経験できます。例えば、以前の部署では保安林の伐採許可申請の確認や伐採後の植栽状況のチェックを担当しました。狩猟免許の試験や更新手続なども行っており、業務内容は多岐にわたります。

業務を通じて広がる視野
さまざまな業務を行う中で、特にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
廣瀬さん:林業職員の仕事は、林業や木材産業にとどまらず、しいたけ生産、森林土木、狩猟関係など、多種多様な分野に関わる機会があります。そのため、幅広い経験を積むことができ、実際に使える知識が増えていくのを実感できるのが楽しいです。特に、事業体や生産者の方などと直接話をすることで、現場のリアルな課題を知り、それに対応するための知識が身についていくのが面白く、やりがいを感じています。
一方で、県職員は数年ごとに人事異動があり、異動直後は新しい業務や環境に慣れるのが大変です。ただ、県職員全員が経験することなので、「初めての業務は知らなくて当然」という前提のもと、周囲の人に聞きながら学んでいける環境が整っています。分からないことは相談しやすく「この分野ならこの人に聞けばいい」といった関係性が築けるのは、県職員ならではの良い文化だと感じています。新しい分野に挑戦しながら成長できる環境が整っていることも、この仕事のやりがいに繋がっていると思います。
仕事をする中で、印象に残っていることや自慢できることはありますか?
廣瀬さん:異動を通じてさまざまな業務を経験できることで、林業全体を多角的に捉えられるようになるのは、この仕事の大きな魅力の一つです。例えば、クラサスドーム大分の敷地内にある大分県立武道スポーツセンターの天井には木材が使用されていますが、その木材の選定や活用にあたっては、県の木材関係の担当が携わりました。こうした大規模な事業に関われるのは、林業に携わる仕事ならではの誇れるポイントだと感じています。
また、現場で学びを得る機会も多く、以前勤めていた部署では、狩猟関係の業務の一環として、イノシシの捕獲から解体までの流れを見学する貴重な経験をしました。ベテラン猟師の方が罠でイノシシを捕獲し、安全かつ効率的に処理する姿を間近で見ることで、その技術の高さに驚かされました。このように、幅広い分野に関わることで得られる経験や知識は、この仕事ならではだと感じています。

業務を通じて広がる視野と経験
入庁前と比べて、県職員の仕事に対するイメージはどのように変わりましたか?
廣瀬さん:入庁前は書類作成や電話対応が中心で、デスクワークがほとんどだと思っていました。しかし、実際には現場に出る機会があり、現地調査や研修などでフィールドワークをすることもあります。仕事中に外出する機会があることで気分転換しやすいですし、現場近くの飲食店での昼食も楽しみの一つになっています。
また、想像していたよりも、職場内外でのコミュニケーションが多く、他部署の職員や関係者と積極的に連携しながら業務を進めています。静かな環境で黙々と作業をするイメージとは異なり、活発なやり取りが求められる職場だと感じています。問い合わせにうまく答えられずに悩むこともありますが、いつも周りの方にフォローいただきながら経験を積むことが出来ています。
休日の過ごし方やこれからやりたいことについて伺いました。
廣瀬さん:インドア派なので休日はあまり外出しませんが、読書や家事をして過ごしています。たまに、映画や旅行にいくこともあります。
まだ具体的にこれからどうしていきたいというビジョンはありませんが、林業に関する知識をしっかり習得し、心身ともに健康を維持しながら長く働き続けられたらと思っています。
