#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー

中山 遥香

こどもと保護者を支援し未来を守る。心理職の働き方とその役割。

プロフィール

中山 遥香

中山 遥香

所属こども・女性相談支援センター

現職心理

県入庁年月日令和6年4月

#わたしが公務員になった理由

充実した研修制度と働きやすい職場環境

高校生の頃から心理学に興味を持ち、大学院まで心理学を専攻した中山さん。医療機関や教育機関などではなく、大分県庁での仕事を選んだ理由を伺いました。

中山さん:大学院時代の実習で、こども・女性相談支援センターを訪れる機会がありました。そこで、心理職の方がこどもと向き合い、絵やおもちゃを使いながら丁寧に面接をする様子を見て、私もこどもの声に耳を傾け、支えられる存在になりたいと強く感じました。実習では実際に心理職の方がこどもと話している場面を見学し、時には声かけも経験しました。実習を通じて、公的機関ならより多くのこどもや家庭に寄り添えると考え、県の心理職として働く道を選びました。

臨床心理士の資格がなくても県の心理職として働くことはできますが、理解や知識を深め、より専門的な支援を行うためにも学生の間にしっかりと学び、資格を取得しました。

県の心理職として、どのような仕事をしているのでしょうか。

中山さん:現在は「療育手帳の判定」と「一時保護児童の心理担当」が主な業務です。療育手帳の判定業務では、知的発達に遅れが見られる可能性があるこどもを対象に心理検査を実施し、保護者からの聴き取りを通じて療育手帳や支援の必要性を判断します。一方、一時保護児童の心理担当としては、虐待などの理由で一時的に保護されたこどもと面談を行い、心理検査を通じて親子関係やこどもへの影響を分析します。特に一時保護のこどもとは、面接や心理検査を重ねることで心の状態を見極めることが求められます。1人のこどもに対して心理職・ケースワーカーがそれぞれ1人ずつ担当しており、こどもと向き合う時間が長く、1日に何件かの面談を行いながら合間で事務作業を進めています。

県職員として働くメリットを感じることはありますか。

中山さん:こども・女性相談支援センター内での研修制度が充実していることです。センター内では週1回の研修が行われており、虐待を受けたこどもが大人になった後の影響や、里親制度についてなどを学びます。心理職同士が班ごとに分かれ、1つの事例に対してフィードバックを行う機会もあります。さらに、公費で県外研修に参加できることもあります。

また、年次有給休暇が取りやすい職場環境であることも魅力です。こどもとの面接は自分のスケジュールに合わせて調整が可能で、あらかじめ予定を立てておけば融通を利かせてもらえます。上司も「しっかり休みを取ってね」と声をかけてくれるため、安心して働ける環境が整っています。

こども部屋でこどもと遊ぶ様子

悩んだ時に支え合えるチームの存在

心理職として働く中で、仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

中山さん:こども・女性相談支援センターでは、さまざまな背景を持つこどもと面接する機会があります。最初は警戒していたこどもが、面接や遊びを通じて少しずつ心を開いて話してくれるようになると嬉しいですし、やりがいを感じます。心理学の面白さを感じる場面でもありますね。一方で、言語発達がゆっくりなために、言葉でうまく気持ちを表現できないこどもや話すことに抵抗があるこどもと向き合う難しさもあります。

児童相談所でのこどもの発言は、自己肯定感や対人関係の基盤となり、将来の人格形成にも影響を与えます。知的能力の低い子や理解が難しい年齢の子には、イラストを用意して説明したり、関係性を築くために他の職員からも声をかけてもらうなど、工夫しながら対応しています。

今までで一番印象に残っている仕事はありますか?

中山さん:療育手帳の判定業務で保護者と話をした際、こどもの特徴や関わり方の難しさを伝えたところ、保護者が涙を流しながら日々の困りごとを話してくれたことがあります。心理職としてこどもに向き合うだけでなく、保護者の気持ちに寄り添うことも重要な役割だと改めて感じた瞬間でした。

仕事内容や職場環境などで自慢できることはありますか?

中山さん:対応の難しいこどもや保護者と向き合うことが多く、心身ともに負担を感じる場面もありますが、職場の心理職同士の関係が良好で、お互いに支え合える環境が整っていることが自慢です。難しい案件の後には「どうだった?」と声を掛け合い、時にはお菓子を共有しながら気持ちを和らげることもあります。自分が悩んだ時は、先輩方が「昔は自分もそうだったよ」と共感してくれることで安心でき、チームとして支え合える職場で働けることを誇りに思います。

県職員として働く前と後で、仕事に対するイメージは変わりましたか?

中山さん:働く前は、専門性の高い仕事だから最初から高いスキルを求められるのではと不安に思っていました。しかし、実際には心理職が多く在籍し、相談や情報共有をしながら仕事を進めることができる環境が整っています。一方で、想像以上に仕事量が多く、面談や検査に追われて記録や事務処理を行う時間が限られることは予想外でした。日々、限られた時間の中で効率よく処理する力が求められると実感しましたね。多少の残業や会議資料の作成に追われることもありますが、忙しい時は療育手帳の判定業務を交代するなど、チームで協力しながら進められる点は心強いと感じています。

チームとして支え合う環境で楽しく業務を行っているという中山さんですが、辞めたくなったことはあるのでしょうか。

中山さん:こども・女性相談支援センターでは、言葉でうまく気持ちを伝えられないこどもや、泣き叫ぶなどの行動で不満を示すこどもと関わることが多く、心理職として何ができるのか分からなくなることがありました。特に言葉での説明が難しいこどもの場合、どんなに知識を駆使しても全てが憶測になってしまい、「この対応で本当に合っているのか」と悩むことも少なくありません。

そんな時、ケースワーカーや心理職の先輩に相談する中で、こどもの行動から読み取れることを学び、自分自身の気持ちに共感してもらえたことで辞めずに済みました。現在1年目で、こどもへの面接も積極的に行っていますが、難しい場面に直面した際には先輩に相談しながら対応を学ぶことで、少しずつ自信を持てるようになりました。

上司に相談している様子

こどもの人生に寄り添う支援を

休日はどんなことをして過ごしていますか?

中山さん:休日は、友人や同期と食事に行ったり、仕事やプライベートの話をすることが多いです。最近はカメラを購入し、ドライブしながら風景を撮ることにもハマっています。今は冬だから花や自然を撮るのは少し難しいので、春には桜を撮りたいです。

将来の夢や展望について伺いました。

中山さん:虐待を受けているこどもの件数は年々増加傾向にありますが、これは必ずしも虐待そのものが増えたわけではなく、これまで見過ごされていた事案が、学校や近所の人の認知が高まったことで明るみになった結果だと考えています。将来的には、暴力や暴言で傷つくこどもを少しでも減らしたいと考えています。虐待の連鎖を断ち切るためにも、早い段階でこどもにアプローチし、その子が親になったときに同じことを繰り返さないよう支援することが大切だと思っています。そのために、周囲の心理職の経験談や研修、読書を通じて自己研鑽を積み、こどもへの理解を深めていきたいです。

取材中の様子

MESSAGE 大分県職員をご検討の方へ

大分県庁には多くの心理職が在籍しており、同期や先輩方に支えられながらこども・女性相談支援センターでさまざまなケースを学ぶことができます。民間の病院では心理職の人数が少なく相談できる機会が限られていることもあるようですが、県庁では困ったときに相談できる環境が整っているのが大きな魅力です。これから県を志望する方と今後一緒に働くことができることを楽しみにしています。

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