#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー
農業インフラを整備して大分県の農業を支える!自分が学んだ専門知識を活かした働き方
プロフィール
池田 敬介
所属日出水利耕地事務所
現職総合土木
県入庁年月日令和2年10月
#わたしが公務員になった理由
学んだ知識を活かして働きたい
大分県に生まれ、高校卒業まで大分県で過ごし、県外の大学に進学して農業土木を学んだという池田さん。卒業後、地元である大分県に戻って働くことを決めた理由について伺ってみました。
池田さん:生まれ育った大分県を、自分が学んだ専門知識を活かして良くしていきたい、という思いがあって、大分県内で就職しました。
卒業後、一度は民間企業のコンサルタント会社で働いていたのですが、社会貢献という観点からも自分の経験を公共の仕事に活かしたいと思い、公務員である大分県庁の総合土木職へ転職しました。
公務員の中でも大分県庁の総合土木職は、道路や河川、橋梁などの土木インフラを整備する一般土木と、ため池改修や農地整備などの農業インフラを整備する農業土木に分かれています。他の市町村等の土木職では、このように仕事内容が分かれていないところもあるので、大分県庁の総合土木職なら自分が学生の頃に学んだ農業土木の知識を活かして専門的に働くことができると思ったのも大分県庁を選んだ理由の一つです。
現在、池田さんは日出町にある日出水利耕地事務所で、ため池の改修や農道の整備などを担当しているそうです。
池田さん:日出水利耕地事務所は、杵築市、日出町、別府市を中心として、ため池の改修や農地の区画整理などの農業土木業務を行っています。ため池は、比較的雨の少ない地域において、農業用水の確保を目的に、先人が多大な労力と歳月をかけて築造した貴重な農業遺産です。しかしながら、多くのため池が江戸から明治時代に築造されており、大雨が降った時や、地震の際、老朽化による決壊が懸念されています。一方で、健全なため池には、水を一時的にため込み、下流域の氾濫を防ぐ役割や、上流からの土砂の流出を防ぎ、下流の田畑や民家を被害から守る役割もあります。
ため池の改修は、決壊を懸念する地域の方々からの情報や、決壊した場合の被害の重要度(背後にどのような施設があるか等)を基に、地震や豪雨時の耐性を診断したうえで事業が始まります。
地域の方から相談があったら、まず、ため池の調査から始めます。調査の結果、改修が必要と診断されたら、様々な調整を経て事業開始となります。事業が開始されると、測量設計に取り掛かります。どのくらいの深さにするか、貯まった水をどこから排出するか等、関係各所とも相談のうえ設計していきます。
設計が終わったら、地域の方々に対して、どのようにため池を改修するか、改修することでどのようなメリットがあるか、などを説明します。もちろん、すぐに皆さんからの合意がいただけるわけではなく、もっとこうしてほしい、などの要望をいただくこともあります。その際には十分検討し、合理性が認められれば設計を修正するなどして、再度丁寧に説明していきます。
地域の方々の同意がいただけたら、次は必要な用地の確保です。ため池の大きさにもよりますが、ため池を設置しようとしている場所に私有地が含まれている場合は、交渉のうえ、譲っていただかなければなりません。ここでも粘り強く交渉を続けることが大切になってきます。
用地が確保できたら、いよいよ具体的な工事設計書の作成に入ります。工事設計書は、ため池改修の工事をするためのマニュアルのようなものであり、誤りがあると現場でのため池の改修にも大きな支障がでるので、特に注意して作成していきます。
設計書が完成したら工事の発注をして、契約した業者と綿密に打合せを行いながら、ため池の改修を進めていきます。
ため池一つを改修するにも、このように多くの人と協議をしつつ、間違いが起こらないように気を付けて仕事をしています。
周りの人に支えられて仕事ができている
毎日の仕事は大変な時もあるそうですが、そんな時でも職場の方々からのサポートがあるので助かっているとのことです。
池田さん:とにかくこの仕事は、周りの方々とのコミュニケーションをとることが大事になってきます。ほとんどの場合、地域の方々も含めて皆さん優しく接してくれるのですが、たまに私がうまく説明できず、怒られてしまうこともあります。
そんな時は落ち込みますが、同僚や上司も励ましてくれたり相談に乗ってくれたりするので、なんとか立ち直ることができています(笑)。
職場環境も、私の残業が続くと、上司や同僚が「今日は早く帰りなよ」と声を掛けてくれて、皆さんも仕事が大変な中でも私を気遣ったり、手伝ったりしてくれています。もらえる給料も、普通に暮らしていく分には十分だと思っています(笑)。
また、土日は基本的に休めるので、職場の先輩や同僚と一緒にパークゴルフに行くなどしていますね。他にも、私は農業土木職員で主に構成されている県耕地課野球部に所属しているので、野球で汗を流すこともあります。
仕事面でもプライベート面でも、職場の方々に支えられてこの仕事ができているなと思いますね。
農業土木の仕事を選んでよかった
農業土木の仕事にやりがいを感じる瞬間も多いそうです。
池田さん:私は現在、希望して農業土木分野の仕事ができていますが、大分県庁の総合土木職として採用されると、最初のうちは農業土木だけではなく、一般土木の仕事が任せられることもあります。これは私の勝手なイメージですが、一般土木の仕事は道路や橋、ダムなどを造ったりして、自分の仕事が地図に残る規模の大きい仕事が多いと思っています。一方、農業土木は、地図に残る仕事もありますが、地域の方々としっかり話し合って、協力しながら事業を進めていくことが多いため、県民の方々と直接触れ合える機会が多いです。
そのため、工事を終えた際に直接「ありがとう」「助かった」など感謝の言葉を言われると、この工事をやってよかったな、と達成感を感じることができます
どちらが良いとは一概には言えませんし、一般土木の仕事も県民の方々と話し合いながら進めていくのですが、私はこの農業土木の仕事が自分に合っていると思うし、大好きな仕事なので今後も農業土木分野で働いていきたいと思っています。
これから目指す県職員としての目標
これからも農業土木分野で働いていきたいという池田さん。今後どのような県職員になっていきたいか聞いてみました。
池田さん:農業インフラの整備を通じて、大分県の農業の発展に貢献できる人材になりたいと考えています。まだまだ失敗や学ぶことが多い毎日ですし、専門知識も必要になってくるので、日々勉強の毎日ですが、地域の方々が喜ぶ姿を思い浮かべながら、いつか自分が大分県の発展に貢献できるように、努力を続けたいと思います