#わたしが公務員に
なった理由
先輩インタビュー

佐田 彩歌

大分県の魅力を世界へ発信!
バックパッカーから県職員へ転身した私の働き方

プロフィール

佐田 彩歌

佐田 彩歌

所属観光誘致促進室

現職行政

県入庁年月日令和3年4月

#わたしが公務員になった理由

語学漬けの大学生活

大分県内の高校卒業後、大学の法文学部で中国文学を学んだ佐田さん。外国語の勉強をしている人たちが目指す先としては、なかなか思い付きにくい県職員を選んだ理由について伺ってみました。

佐田さん:元々、世界で活躍したいという思いがあったのですが、私は英語が苦手だったので、大学の第2外国語として中国語を選択し、中国の古典文学のゼミで勉強をしていました。特別中国文学がやりたかったというわけではなかったのですが、たまたまゼミに毎年中国から5〜6人の留学生が参加していたので、そこにいれば中国人の友達ができると思い入りました。はじめは「英語ができないなら中国語しかない!」という義務感で勉強していましたが、勉強しているうちに中国の魅力に夢中になって、「もっと話せるようになりたい」と考えるようになっていきました。また、韓国にも興味があり、独学で韓国語の勉強もしていたので、韓国人の先生の下へ自主的に足を運んで韓国文学の授業も受けていました。他にも色々な先生の下を渡り歩き、東アジアの文学と語学を中心に学んだ大学生活でした。

大学3回生の時に交換留学生として上海市に渡ったのですが、半年経った頃に新型コロナウイルス感染症が流行したため強制的に帰国することになり、その後は日本で現地のオンラインの授業を受けていました。大学4回生の時点で海外の大学院への進学、もしくは海外に関係する企業への就職を考えていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行の真っ只中で国際情勢が不安定だったことなどから、そういう計画がすべて不透明になってしまいました。

就職については、外務省在外公館派遣員の試験を受けつつ、上海市で就活した企業で選考が進んでいましたが、いまいちピンとこなくて断りました。後先考えずに色々するタイプなので「しばらく好きなことをして過ごしたいし、就職のタイミングは今じゃなくてもいいかな」と思いながら過ごしていた頃、コロナ禍でたまたま採用試験の時期が秋に下がっていた大分県庁の特別枠募集を見つけた親から勧められ、SPI3の科目で受験ができることや、合格すれば大分県内で暮らせることもあって、気軽な気持ちで挑戦しました。留学中は連休にリュック一つ背負ってバックパッカーをしてみたり、行きのチケットだけ買っておいて、その後は中国の色々な都市を自由に旅行するなど無計画に動くタイプで、今考えると試験が秋にずれていたおかげで県職員として就職できたようなものなので良かったです(笑)。

県庁のデスクで仕事をする佐田さん

大人になって大分県の魅力に気付いた

佐田さんは現在、観光誘致促進室の事務職員として東アジアを担当し、韓国や中国・香港の旅行会社、メディア等に向けて観光客誘致の仕事をしているそうです。

佐田さん:普段は各国のパートナー企業と打ち合わせをして、その時々の市場の状況に合った事業を実施したり、旅行会社やメディアへ向けた県内コンテンツの紹介のためのセールス等を行ったりしています。定期的に海外へ出張することもあり、先日は香港に行きました。コロナ禍で3年ほど行き来がなかったので、現地事業者も県内の新しい観光地やスポットについての情報が不足している状態です。先方の興味があることを聞いて、それに合った観光コンテンツを紹介するなど、話を発展させながら大分県に旅行に来てくれる人を増やすための関係づくりを行っています。一日に何件も関係事業者等を訪問するため、出張の行程はなかなかハードで大変です。現地の空気を感じられるような自由時間はほとんどないですが、やりがいがあって楽しいですし良い経験にはなりますね。

大分県の魅力を世界に広げる仕事をしている佐田さんですが、この職に就いてから改めて知ることもあり、入庁したばかりの頃は観光地の勉強からスタートしたそうです。

佐田さん:大分県出身ですが、正直学生時代は勉強や部活ばかりであまり県内のことを知ろうとしていなかったように思います。むしろ東京都や福岡県など都会に行った方が楽しそうだなと思っていました。そのため入庁時は、県内の観光地も有名どころしか知らず、観光誘致促進室に配属されて県内の魅力を発信する立場になって初めて、自分がいかに今まで住んできた大分県のことを知らなかったかを思い知らされました。県内には、そこにしかない独自の魅力を持つ場所や、ディープな体験ができる場所もたくさんあります。この経験をきっかけに大分県のことを一から学び直したことで、改めて大分県の魅力に気づき、自分なりの大分の魅力を仕事を通して関わる方に伝えられるようになったことが印象に残っています。

日本語・中国語(簡体字)・韓国語が話せるそうですが、業務で使うことがあるのか伺ってみました。

佐田さん:基本的に普段の仕事では相手企業にも日本語を話せるスタッフの方がいるので現地の言語で話すことはなく、日本語でやりとりをしています。私の言語能力も、ビジネスの世界で使えるほどのレベルには到底及びませんし、言語能力は必須ではないと感じます。しいて言うならば、インフルエンサーの方にSNS投稿をしてもらう事業などを実施した際、投稿についた現地の方の大分県に対するポジティブなコメントなどをダイレクトに受け取れるので、そういう時は、勉強していて良かったと思います。 この仕事をする上でむしろ大切なのは言語能力ではなく、世界に対する興味があるか、どこの国に対しても、先入観を持たず現地の方と向き合いコミュニケーションをとれるかだと思いますね。

数年で異動となる県職員の中でも、佐田さんが採用された行政・一般事務の職種は、どこの課に配属されるのか、あるいは出先に行くのか全く分からないそうですが。

佐田さん:本庁内での異動になる場合もありますし、各地域の振興局や県税事務所、保健所、土木事務所など出先に配属される可能性もあります。自分の得意分野や興味関心のある分野などに希望通り配属される可能性は高くありません。しかし、異動を通して色々なジャンルについて知ることができるのは一般企業では出来ないことなので、そこは県職員や公務員にしかない特徴だと思います。 例えば観光業の仕事がしたくて旅行会社などに入っていたら、一生観光業のみに携わることになると思います。その道のプロになるためには良いとは思いますが、その他の仕事については知る機会の無いままになってしまうかもしれません。観光誘致促進室に来て、大分県の観光の魅力を知ることができましたが、他の課にもそれぞれやりがいや魅力が色々あるはずですし、思いもよらないところで自分に向いている分野の業務が見つかる可能性もあります。世の中の色々な事を知るきっかけがたくさん転がっているのが、県職員の面白いところです。

職場での打ち合わせの様子

外部と関わりながら仕事ができる

事業を実施するなかで、事業者との直接のやりとりを通して意見交換をし、大分県内の魅力を伝えることができることにやりがいを感じるそうです。

佐田さん:海外営業の際は、仕事のために足を運んでいるので、行程もかなり詰まっており、旅行のようなイメージとは全く違いますが、多くの人との関わりを通して非常にやりがいのある、自分の糧になる経験が出来ます。また、現地の事業者の方に大分県に来てもらい、県内各所を視察してもらう事業を実施する際は、事前にニーズに合わせて視察してもらうスポットを考え、当日の様子も見に行きます。現地の方と直接交流する機会は年に数回なのですが、刺激を受けますし、自分のモチベーションにつながります。

観光業にキラキラしたイメージを持つ人もいますが、地道な仕事や、大変なこともたくさんあります。今の部署は、前向きでタフな人ばかりです(笑)。一緒に働いていて学ぶこともたくさんありますし、やる気をもらえるので、うまくいかないこともありますが日々いろいろなことを吸収しながら頑張っています。

ハードなスケジュールの中で働いている佐田さんですが、業務の量に関わらず県職員内での給料は一緒なのでしょうか。

佐田さん:基本的には職務給のため、どこの部署にいても給料の級と号給が一緒であれば給料は同じです。それに残業代がプラスされれば差が出てきます。また、人事評価の結果でボーナスが少し高いこともあるようですが、私は2年目なのでまだまだですね(笑)。

今までで1番印象に残っている仕事について伺いました。

佐田さん:韓国の観光事業者の方を大分県にお呼びして視察していただく際、大分県のどういうところを見せるかパートナー企業と打ち合わせをし、韓国の今のトレンドなどを踏まえながら視察のコースを調整して決めました。実際に来ていただいた際、「大分県にこんな場所があるなんて知らなかった!」と、とても喜んでいただき、最終的に視察で見たものを活かしたコースや商品を作ってくれた事が一番印象に残っています。

企画したものが相手に伝わり、良いと思ってもらえて形になると、より多くの人に大分県のことを知ってもらうきっかけになります。私達が一般の方一人ひとりに直接売り込みに行くことは難しいので、どうすれば商品を作ってもらえて、より多くの人に買ってもらえるのかを考えたものが、実際に結果に繋がってくれるとやって良かったと思えます。

今の仕事は県内や海外の事業者の声を直接お聞きし、事業に反映できるのが良いところだと思います。入庁前は、県庁は外部の方と接する機会があまりないイメージでしたが、外に出て沢山の人と話をすることができるので嬉しいです。

様々なジャンルの仕事が経験できる

県職員になる前と後で思っていたところと違う部分など、良いギャップ・悪いギャップを伺ってみました。

佐田さん:良いギャップとしては、思っていた以上に業務内容が多様で、部署異動を経て色々なことが経験できる職場であるというところです。様々な経験ができるので、今はまだやりたいことが分からないという人も、県庁で多様な仕事を経験しながら自分に合っている道を極めていくのも有りだと思います。 反対に悪いギャップとしては、1つの部署に長く留まることができず、慣れてきた頃に異動があることです。一定の部署に同じ人がずっと留まることで事業者等と親しくなりすぎた故の馴れ合いを防いだり、担当が同じだと方針も変わらないので、新しい風を入れるためにも定期的に異動を行っているようです。今の仕事は、人との繋がりがその後の大きなチャンスをもたらすこともある業界の仕事なので、2〜3年というスパンは短いですし、関係が築けてきたと思ったら異動してしまうという点が、マイナスに作用してしまう部分もあります。逆に言うと、より多くの人が観光部署で働くことになるので、様々な視点で事業を進めていける点は良いかもしれません。

仕事がきついと感じる中でも、楽しく働いている佐田さんですが、この仕事を辞めたいと思ったことはあるのでしょうか。

佐田さん:忙しいときは早く帰りたいと思うこともありますね(笑)。また、私の場合はまだまだ仕事内容について勉強中でもあるので、外部の方と関わる際に、調整が上手くいかず苦戦することもあります。経験不足で失敗していまい、悔しくてヘコんでしまうこともありました。ですが、上司や先輩職員たちが、普段からみんな忙しいにも関わらず助けてくれるので、自分も頑張らなければと思います。

上司と相談しながら仕事を進める佐田さん

語学を学び続けたい

休みの日の過ごし方や、将来の夢、これからやりたいことについて伺いました。

佐田さん:今は実家に住んでいるのですが、休みの日は私が家事をしているので、家でゆっくりすることも多いです。外に出る時には、映画館に行ったり、ショッピングに行って服や化粧品を買ったり、美術館にもよく足を運びます。祭りや観光イベントなどがあると、友達や家族を誘って勉強がてら県内の観光地に遊びに行くことも多いです。 普段から観光地に行って、アクセスや駐車場の情報、「こんなところが良かったよ!」という個人的な感想などの話ができた方が仕事でも役立つので、特にイベント等には出向くようにしています。学生時代は車も持っていないし部活三昧で休みもほとんどなく、県内の観光はあまりしてこなかったので新鮮で楽しいです。

言語の勉強を続けて、これからも海外の人とたくさん関わっていきたいですし、更に多くの人に大分県のことを知ってもらいたいです。将来的には留学したときに生活した上海市や、バックパッカーをしていた頃に行ってとても印象に残っている重慶市など、留学にも興味がありますし、いつかまた機会があれば中国で暮らしてみたいです。中国や韓国にはまだ行けていない場所がたくさんあるので、コロナ禍が明けたらまずは旅行に行きたいですね。

MESSAGE 大分県職員をご検討の方へ

沢山の可能性があって色々なジャンルの仕事に触れることができる職場だと思います。将来どんな人になりたいのか、自分が何に興味があって、どんな仕事が向いているのかに気付けるところだと思うので、今将来に迷っている人は、たくさんの経験の中でそれを見つけてくれたら嬉しいです。まず入ってみてチャレンジするのもいいですよ!

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